ナカチカ

MC事業部 #88

改めて売るを考える

2021.06.07#COLUMN

ある日、駅のホームで電車を待っている間、なんとなく視界に入った自動販売機を眺めていると気になる商品がありました。ミニサイズのペットボトルで、パッケージには大きく「水ゼリー」の文字が。
水ゼリー?

中身は透明でパッと見ただけではただの水です。
しかし、パッケージの文字の横にはゼリーのイラストも描かれています。
ただの水のゼリー?
美味しいのか?
誰が買うんだろう?

といろんな疑問がわきましたが、ホームに電車が到着して結局謎のまま電車に乗り込みました。

そして後日、家族と出かけた際に再び「水ゼリー」に遭遇。
先日とは違う場所ですが、やはりホームに設置された自動販売機にありました。

妻もこの水ゼリーは気になった様子で、調べてみると水ゼリーではなく「天然水ゼリー」。
そして、ただ水をゼリーにしたわけでもなく、ラムネフレーバーのゼリー飲料でした。

2020年の3月から発売されていて、天然水なのにゼリーという斬新さがSNS上で話題になり、ヒットを続けている商品でした。

なんと販路の9割がJR東日本管内の駅に設置された自販機。
つまりこれは駅専用の商品。

ヒットの理由の一つは、駅の“すき間時間”に小腹を満たせること。
電車を待つわずかな間に静かにさっと口に入れたい、という駅特有のニーズがあるそうです。

もう一つは、リフレッシュ効果。駅のホームには冷房が無いため、夏場にムシムシとした時も不快感をミントの清涼感が和らげてくれるのもヒットの理由で、なるほどといった感じです。
実際にこの商品は、自販機の販売データをもとに「若年層が夕方以降に飲む商品」として開発。
狙い通り駅特有の課題を解決することで、ヒットにつながりました。

ただし、主に狙っていた客層は女性だったようですが、実際に刺さったのは10~20代の男性で、リピート率も高かったとのこと。

女性にとってはゼリーが少し硬く、人前で何度も振りにくかったのでは?といった課題も生まれているそうです。

この課題について妻に聞いてみると、「そんなに気にしない」との回答が…。一つの商品を売るだけでも、いろんな課題や傾向を踏まえ、ターゲットを想像しないといけないんだな…
と他人事のように感じつつ、すぐに我に返って今の仕事でももっと考えないとだめだなと気が引き締まる体験となりました。

これからの季節、駅のホームで「天然水ゼリー」を振っている人を見かける機会は多くなるかもしれません。

赤福