ナカチカ

MC事業部 #20

“共感”による生活習慣のリデザインを狙ったテレビCM

2020.01.17#COLUMN

こんにちは。ハルです。

突然ですがみなさんは、テレビを見ますか?
「テレビを見る人は減っている」と言いますが、私はテレビ、大好きです。そして、テレビCMも大好きです。
これはもうほぼ趣味のようなもので、小さい頃からよく妹とCMソングをハモって歌って遊んだりしていました。
そんなテレビCM好きの私が好きなCMのひとつをご紹介します。

(画像をクリック)

ライオンの食器洗い洗剤「Magica」のCM
「『マジカ』で洗えば、うまくいく」篇です。

家庭が舞台の食器洗い洗剤のCMです。夫役の濱田岳さんが不器用に、恥ずかしそうに自分が食器洗いをしようか?と言い出し、家事への参画を表明します。妻はそんな夫の申し出に戸惑いながらも、ありがとう…。と伝え、その後夫が「意外と簡単じゃ~ん」と楽しそうに食器洗いをし、最後に「油汚れがサラサラ落ちる」というMagicaの商品訴求の一言が入り、CMは終わります。ここまでの夫婦のやり取りがとってもコミカルに描かれています。

調べてみると、このテレビCMは2018年公開のようです。
よくもまあ、2年も前のCMを覚えているもんだな…と自分にちょっと引きましたが、なぜ覚えていたのか考えてみると理由は2点でした。
①濱田岳さんが好きだし、演出が面白かった
②「炎上しそうなCMだな~」と思ったから。

①はさておき、今回お話したいのは②の方です。なぜ炎上しそうだな~と思ったのか。それは先ほどのCMをご覧いただいた方は察しがついているかもしれませんが、このCM「夫は食器洗いをしないものという前提」「意外と簡単じゃ~んの一言が、煽りに聞こえる」そんな批判がありそうな予感を感じさせますよね。

実際、「マジカ CM 濱田岳」とググってみると「不愉快だ」「昭和かよ男だって家事するわ!」みたいなネット記事が沢山でてきました。

話が長いですが「私の好きなCMが、炎上してて悲しい」って話じゃありません。

このCMについて調べていると、CMの企画をしたライオン社員のインタビュー記事を読むことが出来ました。そこから、ご担当社員の方の言葉を引用します。
「夫婦ふたりで家事をするという姿は、同社の食器用洗剤のCMでこれまで何度も描かれてきた。理想ばかり描いてしまっても、現実との乖離が大きく共感は得られない。家事シェアが実現できている理想の夫婦像や女性の視点に立ったコミュニケーションが多い中、Magicaでは家事シェアが進んでいない“リアル”と“少し先にある理想”を描くことで、自分事化してもらおうと考えた。」
のだそうです。

MagicaのCMで狙った共感というのは、「食器洗いの油汚れの落ちにくいことによるストレス」ではなく「食器洗い等の家事の在り方」だったんですね。

実際このテレビCMは、炎上という一面もあったかもしれませんが、その絶妙にリアルな表現で改めて家事についての議論を生み、共感の声も多く寄せられたそうです。(もちろん批判の声も)現状まだまだ進んでいない家事シェアの現状を、改めて考えることになった消費者を多くつくり出したCMだったんではないでしょうか。

私も日々セールスプロモーションの仕事をしています。当然、ただモノが売れれば良いと思って仕事はしていません。モノを手にした消費者に満足してもらいたい、と、理想状態をイメージして仕事をしています。
でも、プロモーションの表現において「理想」と「リアル」のさじ加減が非常に難しい!
「リアル」と「理想」と「そのギャップ」全てを丁寧に見つめ、課題設定をして、アプローチ方法を決め、最終的に消費者の目に触れるデザイン表現まで一貫してこだわり切る。
セールスプロモーションに携わる人間として当たり前のことですが、それが今回このCMについて考えてみて改めて、大切だなと感じたことです。

最後までお読みいただきありがとうございました。ほとんどCMの紹介でした。ライオンさんの回し者でも濱田岳さんの事務所の人間でもありません。

テレビCM、とっても面白いので、また何か面白いCMがあったらコラムで共有させてください。話し相手になってください。

ハル