お客様のこと 自分のこと
突然ですがこのコラムをご覧の皆様は『御朱印集め』にどのような印象をお持ちでしょうか?
私は神社仏閣を巡るのが好きで、休日などはしばしば訪れるのですが、ここ数年で御朱印を集める方は増えに増え、多いこと多いこと。人気の神社やお寺の社務所や授与所には行列ができることも。
そんな行列を横目に通り過ぎる私は、
「御朱印の本来の目的ってなんなの?」
「スタンプラリーじゃないんだから」
「何でもブームブームって騒ぎすぎでしょ…」
と思いながらも参拝をすませ、目的の庭や仏像へまっしぐら。
そう、これが1年前の私です。
今はというと、御朱印を求める列の中に私の姿が。
あれ?なんで?
どうしてこうなったのでしょうか?
私の中で何が起こったのか…
きっかけは1年前のある日、Twitterでフォローしていたある書店のツイートが目に留まりました。
『国書刊行会御朱印帳「雪華光」全3色と「星月夜」全3色の6冊を本日入荷しました。店頭にすべて並べています。』
それを見た私は国書刊行会が御朱印帳⁉ めちゃくちゃ良い!欲しい! 買いに行こう!
即決でした…
これがその御朱印帳です。
素敵です。
少し説明させていただくと、このツイートをした書店は私が数年前から定期的に通うお店で、品揃えがまさに私好み。いつ行っても新しい出会いのある大好きな書店です。
そして国書刊行会という出版社さんもこの書店をきっかけに知りました。本の装丁に並々ならぬ情熱を感じさせ、こちらの所有欲をくすぐってくるお気に入りの出版社さんです。
そんなわけで、このツイートは好きな書店が好きな出版社の素敵な新商品をおススメしているという状況。私にとってはそれだけで十分。私はこの御朱印を片手に神社仏閣を巡るようになりました。
そのため、私の『御朱印集め』には“お気に入りの御朱印帳に”御朱印を集めたいという理由が生まれたのです。(動機は不純ですが、参拝は真面目にしております。)
何が言いたいのかというと、
自分がファンになって信頼している人やお店からの発信には、これまでの自分の考えを変えさせるほどの力がある!
という事ではありません。
回りくどくてすみません。
長々と書いてしまいましたがこの話を簡単にまとめてしまうと、「天邪鬼な私に理由を与えてくれ、御朱印集めを意気揚々と調子よく始めた」というだけの事。
つまり『御朱印集め』に対して否定的なことを考えていましたが、結局のところ興味はめちゃくちゃあったのです。
「おいおい」と思われるかもしれませんが、こんな風に本音を隠して正反対のことを言ってしまうことは人間だれしもあるのではないでしょうか。(開き直り。
だからこそ、ターゲットであるお客様のことを考えよう!というときに「一般的によく言われるのは~」とか「アンケートや統計では~」というところで止まってしまわず、「それって本当?」「それって本音?」という姿勢でお客様のことをもっともっと深く掘り下げて考えることが大切だと思います。
そして、自分自身も消費者の一人であることを忘れずに。
まずは「自分だったら…」から考えていこうと思います。
赤福